第200話
乃海君とは初めて会った日一回きりで、それ以来会えてない。
だけど、あの日初めて会ったのに、ずっと前から長い年月を一緒に過ごしてきた恋人のような感覚がしてならない。
あの日、駅の水飲み場で彼の後姿を見た時、私はものすごいデジャヴを感じていた。この後姿を私は何度も見ていた。
この後姿を私はいつも追いかけていた。
私にとって、忘れられない後姿だったのだ。
彼が振り向く前から、その顔もわかっていた。
ずっと見ていたいと思っていたその顔だった。
夢で見た健二さんの顔が現実の世界で私のすぐ目の前にあることの違和感に、一瞬自分がいる場所や時間や空間がわからなくなった。
もしかしてこれも夢なのかと思った。
でも彼は夢でなく現実に存在していたのだった。
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