第195話


「顔は?」


旭が聞いた。


「…、認めたくないけど悪くは無い。冷たそうでこいつに感情なんかあんのかって感じだけどな。」


「代々金持ちで高学歴、医大生、外車、見た目良しか…、母親がわざわざ家庭教師に連れてくるくらいだから、ノエルの親からも信頼されてるんでしょ? 乃海、油断は出来ないね…。乃海がこうして毎日自習してる間に安藤センセはノエルに猛アタックしてるかもね…。」


旭は腕組して首をかしげた。


「いや、ノエルは絶対渡さない! 俺のもんだ! いくら安藤が親から気に入られているとしても、ノエルは俺の事が好きに決まってる!」


だって、ノエルは由紀子だ!


そうに決まってる!


「てか、それ、ノエルに聞いたの? っつーか、あんたノエルに告白したの?」


「…してない。」


「告白もしないで彼氏ヅラするのって、むちゃずうずうしくない?」


「…。」


旭は眉間に皴を寄せて俺を見た。

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