第192話
気があせり過ぎて、押しまくりすぎて、馴れ馴れしかったか???
俺は奈落の底に落とされた気分がした。目の前が真っ暗になっていくようだ。
しかし、俺のそんな不安は杞憂に過ぎなかった。ノエルは無言の訳を話してくれた。
「あの…、変な女って思われるんじゃないかなって、怖くて言えなかったんだけど…、聞いてもらえるかな?」
「何? 言ってみて。変な女なんて思うわけないから!」
「…あのね、私たち、駅の手洗い場の前で初めて会ったでしょ! 私、あの時、乃海君見て…、ビックリして…、本当に心臓が止まりそうだったの!」
あの時、俺も驚いて心臓が止まりそうだった。
夢に出てきたそのままの由紀子が現れたから!
こんなことって、本当にあるのかと思った。
これも実は俺の夢の中なんじゃないかと疑ったくらいだ。
「実はね…、私、乃海君に会う前から乃海君の事知ってたの! 私の夢の中で、乃海君と会ってたの! ごめん、気持ち悪いよね?こんなこと言ったら。」
「!」
俺はノエルからその事を聞いて、目の前に溜まったいたモヤが晴れ渡った気がした。
あれは単なる夢じゃなかった!
ノエルも俺と同じ夢を見ていたんだ。
ノエルは由紀子だ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます