第181話
街中の灯かりが星空のように輝いていた。
そしてコの字型に入り込んだ湾岸の周りにはオレンジ色に輝く洋館がたくさん見えて、ヨーロッパかどこかの外国の景色のようだった。
海にも灯かりが反射してゆらゆらと揺らめいている。
なんてキレイなんだろう。
俺はしばらくその夜景から目を離せなかった。
「キレイでしょう?」
ノエルが言った。
俺のすぐ横でノエルも夜景を見ていた。
ノエルの目に灯かりが映ってキラキラしていた。
ノエルは俺の方を見た。
俺はノエルの目を見て言った。
「うん。めっちゃキレイだよ。」
ノエルは真っ赤になった。
「あ、あれだよね…、夜景! ほんと、ここからの夜景キレイだよね。」
ノエルはアタフタして恥ずかしさをごまかそうとしているみたいだった。
「夜景もキレイだけど、ノエルもキレイ。かわいい。あー、俺、何言ってんだかー。」
俺ってこんなこと平気で言えるタイプだったっけ?
旭が言う秀才ではないけど自我崩壊的男になったのかもしれない。
「あ、あの、ここが我が家です。どうぞ。」
ノエルはロボットのようにカチコチになって門を開けた。
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