第179話
「おばあちゃん、言ってたんだ…。自分が家族を助けなきゃいけない、自分が家族を助けられるんだ。だから和夫さんのことを諦めたって。でもそれは大きな思い違いだったって。自分がどうがんばっても、ダメになる宿命の物はある。自分は自分の気持ちに正直になるべきだったって…。おばあちゃんも、本当は乃海君のおじいさんと結婚したかったの。私のおじいちゃんには…、あまり口には出さないけど、すごく酷い仕打ちをされていたらしくて、夫婦仲は一度も良かったことが無かったみたい。おばあちゃんは死ぬまで乃海君のおじいさんの事を想い続けていたんだよ。」
ノエルの言葉に、俺は一層自分の不甲斐なさを感じた。
ノエルのおばあさんの為にも、俺はもっと早く行動を起こすべきだったと後悔が止まなかった。
「おばあちゃん、亡くなる前に、私に頼みがあるって言ってて…、私、そんな事本当にあるんだろうかって思ってたんだけど、こんなことって本当にあるんだね。」
ノエルは目を潤ませながら笑顔で俺を見た。
「乃海君、おばあちゃんの頼み、きいてくれないかな?」
「何でも聞くよ。言ってみて。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます