第172話


「これ…。」


俺は家の鍵とスマホを取り出した。鍵とスマホにはノエルが作った四葉のクローバーのキーホルダーを一つずつ付けていた。


「最初に城で見つけて、きれいだなーって思ってもらったんだ。次に図書館でまた見つけたんだけど、こんなきれいなのを二つももらったら悪いなって思って、そこではそのままにしておいた。だけど、ここで見つけたときは…なんだか運命的なものを感じてしまって…。」


俺は言いながら恥ずかしくなって顔がみるみるうちに赤くなっていった。


「嬉しい!嬉しいです。二つももらってくれたなんて。」


ノエルは照れながら言った。


お互い笑顔で見つめ合って、なんだか恥ずかしくなった。


ノエルは俺に何か言いたそうなそぶりをしていたが、言うかどうか悩んでいるみたいで、結局何も言わなかった。


俺は何か他の話題を考えた。


「高校生…だよね?」


「はい、高ニです。」


「なんだ、タメじゃん。敬語使わないで話そうよ。」


「うん。わかった。」


ノエルともっと話したくて、駅前のカフェに誘った。



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