第167話


そんな時、


“何となく俺の感では、澄子さんを探し出すのは速い方がいいかもしれない。根拠は無いんだけど、なんだかそんな気がするんだ…”


突然じーちゃんの施設で石田さんが言っていた言葉が頭に浮かんだ。


そうか!


石田さん、そう言ってたな!


「俺、ちょっと行ってくる!」


俺はカバンを背負って、靴を履いた。


「ちょっとって、どこよ?」


「何? 何? おもしろそうなとこなら俺も連れてけー!」


類と旭が聞いてきたが、今日はなんとなく一人で行ったほうがいいような気がしたから、二人を置いて俺は駅へ走った。


「なんだ? 乃海のやつ。自分だけおもしろいことしようとしてないか?」


「あんた、お詫びに私にクリームぜんざい奢って!」


「何で俺が詫びなきゃなんねーんだ。ん、まてよ、俺のお腹さんも同意している…。おばちゃーん、クリぜん二つねー。」




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