第162話 トラクター王国の話2


「姫、あなたの為なら私はこの命も惜しくない! 必ずや戦に勝って、領土を奪還し、そして王様にあなたとの結婚を許してもらうつもりです!」


「戦など行かないでください。勝って領土が戻ったとて、必ずや帝国はまた奪いにくるでしょう。」


「では姫よ、私と一緒に逃げましょう。二人で誰もいない世界へ行きましょう。」


二台は前輪と前輪を取り合い、国境へ向かって全速力で走りました。


しかしすぐに見張りの兵士たちに見つかってしまい、姫はお城へ連れ戻され、兵士は拷問にあいました。


「おまえごときが姫君をたぶらかすとは、この恥知らずが!」


上官は兵士をムチで打ち続けました。


兵士のうめき声は王国中に響き渡りました。


姫は監禁された城の塔の窓から兵士を思い、涙を流し続けるのでした。


そこへ、トラクター王国の王様がやってきました。


「姫よ、諦めるのだ。あの兵士は拷問を受けて、もうじき死ぬだろう。」


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