第132話
「ママ、私に理系は無理なの。安藤先生に聞いてもらったらわかると思う。今まで努力を重ねて自分の限界までがんばったけど…これが限界なの。これ以上がんばっても上には行けないの。」
私がそう言うと、母は先生に聞いた。
「娘はそう言ってますけど、どう思いますか?」
「確かに今は壁にぶち当たっているみたいです。でもそれは誰にでもあることで、そこでがんばるかがんばらないかだと思います。「水滴岩を穿つ」って言うじゃないですか。さらなる努力を重ねることで、自分でも知らなかった可能性が開けることって、よくあることです。今進路を変えるのは時期尚早だと思います。」
安藤先生の言い分に母は納得しているようだった。
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