第131話


 母屋に戻ると、リビングに母と安藤先生がいた。


「ノエル、どこに行ってたの? 安藤先生、ノエルに厳しく言い過ぎたって、わざわざ謝りに来てくれたのよ。」


「ごめんなさい。おばあちゃんのところに行ってて…。安藤先生、私の方こそすみませんでした。」


私は安藤先生に頭を下げた。


「ママ、話があるの。私ね、工学部には行きたくない。私は英語やその他にもいろんな語学を学びたいの。だから、ママの期待には応えられません。ごめんなさい。」


私は深く頭を下げた。


「どうしたの、急に。まだ高校一年生だし、一時の気の迷いって事もあるし、今、早急に決めなくてもいいんじゃないの?」


私の決断は母にとって寝耳に水だったようで驚いていた。

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