第127話
「ねえ、おばあちゃん、パパは子供の頃から頭が良かったんでしょ?ママもそうだったらしいし…。どうして私はダメなんだろう…。」
「あら、あなたは今の学校にも入れたんだし、成績だっていいじゃない。パパもママも自慢の娘だと思ってるわよ。もちろん私にとっても自慢の孫よ。」
「違うのよ、おばあちゃん!本当に頭のいい人は、何でもすぐ覚えたり、初めての問題でも解けたりするの。私は人の倍以上やらないと覚えられないし、苦手な数学なんか、解き方丸暗記でやっと解けるだけで、パターンの違うやつが出てきたりすると全く歯が立たないし、自分で解き方なんて編み出せないし、答えを何度も何度も覚えてやっと解けるレベルなの。中学の勉強まではそれでもなんとかごまかせるの。でも高校の数学とか物理とか、もう私の頭じゃ無理なの。理系じゃないんだよ、もともと…。私、頭良くないの、悪いの。頭がいいフリしてる頭イイモドキなんだよ…。」
「頭イイモドキだなんて…。」
祖母は困ったような顔をして、そして笑顔で私に言った。
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