第125話


祖母は私の手をとって離れへ連れて行った。


祖母の住む離れは、入り口すぐ横に祖母のお教室用の大きな和室の部屋があり、その隣にLDK、リビングの大きな窓からは庭を挟んで私の住んでいる母屋が見える。


廊下を挟んで洗面所とお風呂、トイレがあって、その横に祖母の寝室がある。


父が祖母の使い勝手を考えて和室以外をフローリングにしているが、全体が和の雰囲気なので落ち着いていて、正直私は自分の住んでいる母屋より、祖母の住んでいる離れの方が居心地が良かった。


離れに行く度に、私は気になっている物があった。


それは祖母の寝室に置いてあった。


余計な装飾品は一切置いていないシンプルな祖母らしい室礼の中に、それはひときわ存在感を放っていた。



アンティークの重厚感あるラジオ。



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