第104話 もう一つの人知れない恋の話23


しかし電車に乗る列に押されるように、澄子は中へ入ってしまった。


和夫は急いで駆け寄ったが、ドアは既に閉まって警笛が鳴った。


和夫は動きだす電車を追いかけながら澄子を呼んだ。


澄子は和夫に頭を下げ、ありがとう、そしてごめんなさい、と心から詫びた。


二人は見つめあったまま、電車は遠く離れていった。

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