第101話 もう一つの人知れない恋の話20
「半分…ていうか、ほぼ無理矢理に結婚させたみたいなもんなのよ。でも私は嬉しかった。憧れの人と結婚できるなんて夢にも思わなかったから。私の夢は叶ったのよ、澄子さん!…だから…。」
良子はうつむいて何か言いにくそうにしていた。
「…だから、和夫さんをあなたにお返しします。」
澄子は驚きで声が出なかった。
「私たちには子供はいないし。いつかこんな日が来ることはわかってたの。多分、神様が、私がよくがんばったから、一時の幸せの時間をプレゼントしてくれたんだと思うの。もともとあなたと和夫さんは好き同士で結ばれる運命なのよ。少しの間だけど、私に夢を見させてくれて、ほんとにありがとう。」
良子は目に涙を溜めてそう言った。
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