第97話 もう一つの人知れない恋の話16


「もうすぐ夫も帰ってくると思いますので。」


良子は笑顔で言った。


澄子には何故自分のような者が家にやって来て、妻である良子がこんなに愛想良くできるのか信じられなかった。


「私、おいとましますので…。お茶、おご馳走様でした。」


澄子が立ち上がろうとすると、良子はそれを止めた。


「主人は今でも…、いえ、昔からずっとあなたの事だけを思い続けています。それは死ぬまで変わらないと思います。」


良子はきっぱりと言った。


澄子は益々わからなくなった。


良子は澄子にソファに座ってもらうようにお願いして、話し始めた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る