第87話 もう一つの人知れない恋の話6
二人が一夜を明かし、澄子の父親から引き離された後も、二人の気持ちは揺るぎ無かった。
これまで澄子は自分の意見など通した事が無かったが、この恋だけは誰が何と言おうと、家族に迷惑かけようと、誰かを傷つけようと、絶対に貫き通すつもりだった。
そしてある日、正一がやって来た。
正一は澄子にこう言った。
「君が大人しく僕の元へ来ないのなら、あの男の内定が決まっている会社に、あの男は私の許婚をたぶらかした、と言いに行く。そうなったら内定は取り消しだろうな。噂が広まって、どこにも就職なんて出来なくなる。もちろん大学にも言いに行く。卒業を待たずして退学だ。俺はこの手であの男の全てを壊してやる。それでも君はあの男と一緒になるとでも言うのか?」
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