第86話 もう一つの人知れない恋の話5


「私は本気です。自分の気持ちをごまかす事はできないと分かったんです。これから帰って父にも伝えるつもりです。」


澄子はそう言ってその場を立ち去ろうとした。


正一は澄子の腕を引っ張り自分の方へ引き寄せて、力ずくで抱きしめ無理やりキスをした。

そして正一はそのまま澄子を押し倒し、服を引き剥がそうとした。


澄子は力いっぱい抵抗して、正一の腕に思いっきり噛み付いた。


正一がひるんだ一瞬の隙に澄子は逃げ出し、靴も履かずに無我夢中で家に向かって走った。


家に帰ると、汚れた足のままズカズカと父親のいる居間へ行き、勇気を振り絞って自分の気持ちを打ち明けた。


当然の如く父親は怒り狂い、澄子をぶちまわした。


父親は母親の制止を振り切って、ひたすら澄子を殴り続けた。


澄子は家を飛び出し、和夫の元へ向かった。



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