第74話


「金取んのかよ!」


類はぶつぶつ言いながらも300円を旭に渡してメンチカツにかぶりついた。


「うまっ!こんだけ買って一人300円って、安くねっ! 旭、でかした!」


類はメンチカツを二口くらいで食べ終わると、次は唐揚げを食べ始めた。


「何これ!噛めば噛むほど味が出てくる! どんだけ下味を秘めてるんだー! 唐揚げ界のあたりめやー!」


類は無限に食べられそうな唐揚げに感動している。


食べてみるとほんとに美味しかった。


味に歴史を感じる。


長年やってないと作り出せない味だと思った。


類は自分の分を全部食べ終わってもまだ食べ足りないようで、もう少し買いに行こうという事になった。


旭の案内でその惣菜屋に行った。


近くなるにつれていい匂いが漂ってくる。


最初俺たちがいた場所からはほとんど匂いなどしなかったのに、この女はどれだけ鼻が利くんだ!


「このお店だよ。」


「えびす屋」と書かれたかなり年季の入った看板が店の上にかかってあった。

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