第68話


「乃海、そのコーヒーカップ、ウケ狙い?」


案の定、旭に言われてしまった。


「いや…そういう訳じゃないけど、俺はこのカップじゃなきゃダメなんだ…。」


そう言っている横で、すでに類はコーヒーをガブガブ飲んでいた。


「いやぁ~、高級カップアンドソーサーで味わう本格ドリップコーヒーは旨いねっ!」


砂糖もミルクもたっぷり入れてそう言ってやがる…ったくこの男は…。


こんな違いの分からない男にこのコーヒーは勿体なかった…。


後悔先に立たず…。


二人とバカ話をしていたら、あのリアルな夢の事はただの夢で、俺の生活に関係の無いことだと思えて、いつの間にかいつもの自分に戻っていた。

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