第63話
そして少女が店番をしている時に、会計のところにそれをそっと置いた。
店を出て、離れたところから様子を見ていると、少女が俺の置いたクローバーに気付いた。
少女はそれを見て微笑んでいた。
気に入ってもらえたようだ。
よかった。それからというもの、俺は少女にその贈り物を届け続けた。
贈り物の最後と決めていた日、俺は贈り物にメッセージを添えた。
“君のことが好きです。四番橋で待ってます。”
少女は会計台のところへやってきて、メッセージを開いた。
そして顔を上げると、店の外に立っていた俺と目が合った。
少女は頬を赤らめた。
俺は恥ずかしくて目を逸らし、一礼してそそくさとその場を立ち去った。
それから俺は近くを流れる大きな川の四番橋で少女を待った。
正直少女は来てくれないだろうと思っていた。
しかし少女は来てくれた。
息を切らして、小走りにやってきてくれた。
俺は気持ちが舞い上がってしまい、自分が少女を呼び出したくせに何を話したらいいのかわからなくなった。
少女は頬を赤らめて恥ずかしそうにしていた。
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