第57話
俺はその間、食器の後片付けをして、まだ言い争いが続いているのを確認してから食後のコーヒーを入れた。
コーヒーを持っていくタイミングでほぼ言い争いは終わった。
コイツらとの付き合いも長くなると、こういう時間配分も的確になってくる。
旭はコーヒーをグビっと飲んで話し始めた。
「魂の片割れとか言ってさ、なんだかロマンチックな響きがするけどさ、おかしくない?もともと一つの魂が分かれて二つの魂になるってことはだよ、それぞれ独立した人格になったってことじゃん。じゃ、なんで生まれかわってまた一つになんなきゃいけないの?そこからまた分かれて魂が細分化して増えていくってならわかるけど。んで、会ったからって何なんだろ?そのパワーで世界に平和が訪れるとかあるんならわかるけど、ただ会ってまた恋愛するだけだったら、人類的にはあんまり意味無くない?」
「ま、そう言われたらそうかもしれないけど、俺とアイツは魂の片割れ、とか聞いたらロマンチックじゃん!うっとりするじゃん!恋愛もより盛り上がるだろ!前世からまた出会うと約束していた二人。輪廻転生を繰り返してもまた必ず君を探す!…めっちゃ良くね?俺と凜の輪廻転生ラブストーリー、即ドラマ化決定だろ!」
類はウットリしている。
旭はそんな類を冷めた目で見ている。
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