第53話


 三回連続で俺の前はミズハラノエルだった。


そして石田さんがから聞いたばかりの来世の約束の事をノエルは知っていて、しかもここに書いている。


こんな偶然が存在するのか?


ミズハラノエルはもしかすると、俺にとって何か重要な関わりがある人間なのではないかと思わずにはいられなかった。



 震える手で俺は書いた。


― 23th Sep 2018 Noah Iwasaki

 信じます。




 電車に乗っている間、昨日からのいろんな事が頭を巡っていた。


じーちゃんと澄子さんの話、石田さんが教えてくれた来世の約束、そして今日のミズハラノエルのメモ…。


俺はなぜか、何か大事な事を思い出せないようなもどかしい気持ちになった。


そしてそれは胸の奥のどこかをチクチク刺している。


理由がわからない痛みを感じている。


目を瞑ると何故かどこまでも広がる満天の星空が見えた。


見たことも無いようなものすごい数の星が瞬いている。


電灯なんか無い真っ暗闇じゃないと、こんな星空は見ることができない。


こんな星空、俺は見たことあったか?


その映像はだんだんハッキリしてきた。


手が届くくらいの大きな星の煌きが見えた。


手を伸ばすとつかめそうな煌く星たちが、次第に遠のいてまたぼんやりとしてきた。


何故か俺は泣きそうな気持ちになった。


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