第48話
石田さんはビールをぐいっと飲んで、その話を始めた。
「だよね。いや、知らなくて当たり前だよ。俺ね、小さい頃から霊が見えて声とかも聞こえたりするんだよ。それって家系的なものらしくて、母親からは見えても見えないフリをしろ、声が聞こえても無視しろって言われてきたんだ。俺も実際怖かったからそうしてきた。それから大きくなって祖母が入院してからよく病院に行くことが増えて、病院ってやっぱ場所柄霊が多いんだよね。で、聞こえないフリしててもやっぱり聞こえてるわけで…。霊たちの声を聞いててその来世の約束の存在を知ったんだ。」
俺は聞きながら鳥肌がたってきた。
石田さんはビールをチビチビ飲みながら続けた。
「今生でものすごく惹かれあったけど結ばれなかった酷い後悔を抱えた二人が来世の約束をすると、生まれ変わってもまた会えるらしいんだ。生きている間に会えなくて約束が交わせなかったとしても、死んでからあの世に行くまでの間に猶予期間みたいなものがあるみたいなんだよね。多分四十九日とか言うだろ?あの間って、ほんとに霊はこの世をさまよっているみたいなんだ。体から出た魂は、思うところに自由にいけるから。ただその約束を交わすには、お互いがわかるキーワードみたいなものが必要らしいんだ。だから亡くなって魂になって相手のところに行っても相手は気付かず約束をかわせないことが多いみたいだよ。」
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