第46話
「えっ!石田さんその事知ってるんですか?」
「おじいさんがコッソリ教えてくれたんだ。この施設の中ではこの事を知ってるの僕だけなんだよね。」
「そうだったんですか。まだ全然探せてないというか…探し始めてないというか…。この街に住んでるみたいなんですけどね。とりあえず今度、その人の実家の大黒堂を訪ねてみようかと思ってます。」
「そうなんだ。大変そうだね。」
石田さんは俺に気遣うように言った。
「今日じーちゃんからその人との思い出話を聞いて、なんかめっちゃいい話って思っちゃったんですよね…。本人たちは辛かったんだろうけど。最初じーちゃんから澄子さんのこと探して欲しいって頼まれたときは、正直面倒くさい、無理だろって思ってたんだけど、なんだかほんとに探し出してあげたいなって思うようになってきて…。」
「見つかるといいね。」
石田さんは俺に微笑んで言った。
「あの、話し違うんだけど、さっきこの部屋に来るまで廊下を歩いてて思ったんですけど、ここ夜とか怖くないですか?…その、出たりとかします?」
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