第33話


「写真を見てると昔の記憶が鮮明に蘇ってくるよ。」


 施設に帰ってじーちゃんの部屋に行くと、じーちゃんは昔の写真を嬉しそうに眺めていた。


窓からはもう夕日が射していた。


写真にあたるオレンジの光が、その歴史をより遠くに感じさせていた。


「何か有力な手がかり思い出した?」


「有力な手がかりっていうのはなかなかないんだけど…。」


じーちゃんは俺にアルバムを手渡して、若松澄子さんとの思い出話を始めた。


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