第26話


「まあ、そうかもしれないけど、あ!あの人と将来会うんだ!とか思ったら、なんかわくわくしたりときめいたりするんじゃないの?」


俺は言った。


「わくわくしたりときめいたりする人ばかりじゃないですよ、人生は。もう二度とそのツラ見たくない!おまえのこと考えるだけで吐き気がする…なんて人の方が実際多かったりします…はい。」


快速電車はげんなりしながら言った。


「あー、なんかお先真っ暗になってきたじゃん!どーしてくれんだ!快速電車!」


「だから、走るのです!君は今まで全力で走ってきたことなんかないでしょう?走りなさい!若いんだから!私は走りますよ!それが私…快速電車たる所以です。」



その通りだよ!快速電車!


俺は今まで一度も全速力で走るようなことしてねーよ。


でもさ、そこまで走りたいようなことが無かったんだよ…。



快速電車は俺にあてつけるように速く走った。

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