第23話


 キッチンの窓から光が射して眩しい。


いい天気だ。


冷蔵庫を開けると、食材らしき物がほとんど無い。


しかし俺は無から有を作る男だ!


戦力が無いとなると余計にヤル気が出た。


とりあえず卵とキャベツが少しだけある。


食パンとケチャップも発見した。


俺はキャベツを千切りにして塩コショウで炒めた。


そしてスクランブルエッグを作った。


食パンの上にキャベツ炒めを敷いて、さらにスクランブルエッグを上から乗せ、その上にさらにケチャップをかけた。


そうして出来たキャベツ卵トースト?とでもいうべき物をトースターに入れて3分ほど暖めた。


「自分でいうのも何だけど…うめぇ…旨すぎるだろコレ!」


自画自賛が止まらない。


この簡単レシピは母から教えてもらった。


学生時代に付き合っていた彼氏から教えてもらったそうだ。


その彼氏がバイトしていた喫茶店のまかないでよく出ていたらしい。


この話は父には内緒にしろと母から釘を刺されている。


父もあの年になってヤキモチも無いだろと思うのだが、仲の良い夫婦の関係に波風を立ててはいけないので母との約束はいまだに固く守っている。


良い息子だ! 我ながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る