第22話


 週末、俺は一人でじーちゃんの施設に泊まりに行くことになった。


じーちゃんが来い来いってうるさいからだ。


施設にはゲスト用の部屋があって有料で貸してくれる。


土曜の朝から行って、日曜の夕方に帰る予定だ。


 土曜の朝は、いつもの習慣で6時半には目が覚めた。


両親はまだ寝ている。


二人とも仕事で疲れているので、起こさないようにそっと1階に下りた。


我が家は、母も昔からフルタイムで働いているので、俺はいつの頃からか、自分の身の回りの事はたいてい出来るようになっていた。


ばーちゃんが生きていた頃は、ばーちゃんが俺の面倒を見ていたが、亡くなってからはじーちゃんが「ばーちゃんの代わりはワシがするからな!乃海、何も心配するな!」と、張り切っていたが、一週間くらいですぐヘコたれて、その頃俺はもう小学校高学年だったから、俺がばーちゃんの代わりにじーちゃんの面倒を見てやることになってしまった。


洗濯と掃除と、簡単な料理くらいはすぐできるようになった。


正直、学校の勉強よりも面白くて、将来嫁さんに働いてもらって俺主夫ってものアリ?なんて、冗談半分に思ったりした。

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