第15話


「みんないつものでいい?」


旭が聞いてきたので、俺と類は頷いた。


「オムそば3つとコーラ3杯お願いします。」


旭が注文した。


「で?おじいちゃん、無事に施設に入居したの?」


旭はヘアゴムを取り出して、髪を後ろでまとめながら聞いてきた。


「うん。なんか…いざ離れるとなると、じーちゃん寂しがるかなと思ってたんだけど、全然そんなことなかったんだよな。」


「おまえの方が寂しかったんじゃないのか?」


類がにやけながら言った。


確かにそれはあるかもしれないと思った。


うちは俺は小さい頃から両親共働きで、俺は祖父母に育てられたようなもんだった。


ばーちゃんが亡くなってからは、じーちゃんが一番の話し相手であり、理解者だった。


「向こうでじーちゃんと二人になったときさ、変な頼まれ事されちゃってさ…。」


俺は二人にじーちゃんからの頼みまれ事の話をした。


「なに、その人、乃海のじーちゃんの初恋の相手なの?」


類がニヤニヤしながら聞いた。


「じーちゃん、可愛くない?」


旭はやたらウケている。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る