第7話
「この人って、そのじーちゃんの初恋の人?」
じーちゃんは「いかにも!」と言わんばかりに目を瞑って首を縦に振った。
「…で、この人探してほしいの?」
じーちゃんはまた「いかにも!」と言わんばかりに目を瞑って首を縦に振った。
「…って、手がかりこれだけ?」
「今のところ。」
じーちゃんは目を瞑って首を縦に振って言った。
「…って、無理だろ!勘弁してよ!」
俺は呆れてじーちゃんにそう言うと、このノンキな老人は俺を恨めしそうに見ながらショボーンとしている。
「わかったよ!がんばってみるけど、期待すんなよ!」
俺がそう言うと、じーちゃんは満足そうに笑った。
「お礼にワシのへその緒をやろう。」
「いらねーよ、そんなの!」
「オマエの曾祖母さんから授かったワシの宝物だぞ!」
ったくこの老人は!
二人でバカ言いながら大笑いしていると、俺の両親が帰ってきた。
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