第26話 その眺め
コズは飽きることなく塔内を探索した。
毎日食堂に通って別の食事を楽しみ、浴場に行っては最低一時間は入浴を楽しんだ。
塔内部の書庫を見つけ、そのあまりの蔵書の多さに目を
スパーシャは外をきままに歩いているし、レファはずっと鍛錬をしている。コズとしても
その日、コズは中央の塔をできるだけ高く昇ってみようと試みた。
客人が立ち入ることのできるギリギリの階層まで足を踏み入れ、その展望台の役目を担ったバルコニーに身を躍らせた。
「んんぅぅ~~」
コズは大空の風を全身に受けて、気持ちよく身体を伸ばす。その風はキカイの国で受けた風よりも幾分かひんやりとしていて、吸い込んだ空気はコズの身体を浄化してくれるような感覚を味わせた。
コズは
「んん?」
眺めているうちに、コズはある一種の既視感のような物を感じた。だが、その既視感の出所が何なのかわからず、コズはもう一度国を見渡す。
塔の下に広がる街、そしてその先の農耕地帯となる平野、山……湖……。
「ま、いっか」
結局、コズは考えることを諦めた。
その山と、湖の立地が、彼女の国と殆ど同じであることに気付くには、彼女は自身の国を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます