最終話:幼馴染をさがしてた

小佐田おさだ……」


 小佐田の『ね、佐藤さとう明日葉あすはさん?』という問いかけに声を震わせるおれに、彼女は、あくまで優しく微笑ほほえむ。


「いつから、それを知って……?」


「そうだなあ……」


 くうを見上げて、小佐田はこれまでのことを、ゆっくりと話し始めた。


* * *


 あのね、夏休みまで、れんくんのこと、幼馴染だなんて思ったことは一回もなかったんだよ。


 小2の終わりに引っ越したわたしがその時に離れ離れになったのは、わたしからすると蓮くんだけじゃないし、そもそもみんな幼いから、まだ幼馴染なんて呼ぶはずもなかったっていうか。ただの「馴染なじみ」だね。あはは。


 同じ幼稚園から同じ小学校に言ったお友達は他にもいたし、蓮くんだけを特別扱いするような理由も、2つくらいしかなかったもん。


 でも、今思うと、その2つが、結局はわたしと蓮くんを「幼馴染」にしてくれたんだね。


 1つ目は、蓮くんがわたしに戻し・・たこと。ほんと言うと、ちょっとトラウマになるくらいだったけど、結局、元を正せばわたしが原因だったってことだから……それはごめんね……?


 それで、2つ目がもっと大事。


 それは、蓮くんが『最後の手紙』の本に手紙を交換した相手は、わたしだったってこと。


 


 あのね。


 わたし、『地元』とか『ふるさと』って言える人のこと、ずーっと羨ましいって思ってたんだ。


 生まれてから小2までの7年間いたあの町が一番長くいた町で、他のところには長くても2年くらいしかいなかったから。


 おとうさんが転勤族だったから仕方ないし、そのことを恨んでもないよ。


 だけど……何回めの転校の時かなあ。もしかしたら1回目の時だったかもしれないけど、音楽の授業で『ふるさと』を歌ったことがあったんだ。


 先生が「『うさぎおいし』は『うさぎが美味おいしい』ってことじゃなくてね」っていう定番の導入から始まって「『うさぎおいしあの山』は『うさぎを追いかけたあの山』、『小鮒釣りしかの川』は『小鮒を釣ったあの川』というように、自分の育ったところを懐かしく思っている歌です」って解説をしてくれたの。


 みんな、『ここらへんにウサギもコブナも見たことない』みたいなことを言って笑ってたんだけど、それを受けて先生はすごく上品に笑って、


「昔の人はそう言う風にして遊んでたってことです。みなさんもきっといつか、育ったこの町のことを、あんな遊びしたなって懐かしく思う時が来ると思います。たとえば、自転車で隣町まで行ったり、みんなで木登りして遊んだり……。だから、住んでいるこの町を大事にしましょう」


 って言ってた。


 それにも『木登りなんかしないよ』ってみんなは言ってたんだけど、その時に、わたしは多分、一人だけ違うこと考えてたんだよね。


 それは、どっちにしろ、ここらへんを懐かしむことはないだろうな、ってこと。


 だって、わたしに友達はいなかったから、誰とも遊んでないんだもん。だし、もうその時には次の引っ越しが決まってたからね。


 だから、『大事にする町』もないんだなって。




 そんなこともあって、高校は、おかあさんにお願いして、私立にしたんだ。そしたらみんな、高校のことを『地元の高校』とは、多分呼ばないでしょ?


 それで、入学してすぐ、6組のわたしのところまで、1組の男の子が話しかけにきてくれたんだ。のち須賀すがれんくん、だね? いや、その時から須賀蓮くんか……。


 その背が高くて無愛想な男の子は、


「幼稚園と小学校が同じだったみたいなんだけど、覚えてるか?」


 って声をかけてきたの。


 わたしのこと、覚えてる人がいるんだってちょっと嬉しかったんだ。わたしは蓮くんのことは覚えてたし。なんでかって、戻さ・・れたからだよ。わたしの家におかあさんと一緒に謝りに来たもんね、蓮くん。


「うん、須賀くんだよね? 久しぶり! よろしく!」


「おう……?」


 だからといって、もう、わたしは蓮くんに『ふるさと』なんか期待しちゃダメだって思ってた。ううん、思ってたって言うか、考えもしなかった。


 首をかしげる須賀くんは「やっぱ違うよなあ」みたいなことを言って、6組に帰っていった。その「やっぱ違うよなあ」だけちょっと気になってたんだけど、そんなこともすぐ忘れちゃった。


 そのあと一学期の間中は、私立高校に入ったし、もう転校もしないんだから、そんなことする必要なんか全然ないのに、わたしはつい癖で、『仮住まい』の行動を取ってたんだ。


 いくつかあるんだけど、わかりやすく言うと、

『特定の仲良しは作らない。だけど、全員に丁寧ていねいに接する』

 ってことかなあ。


 それがわたしが複数回の転校で得た処世術しょせいじゅつだったんだよ。なんか、すごくわたし、計算高いみたいかな? 実際そうなのかもしれないね。いやだったら、ごめんね。……蓮くんは別なんだけど、それはあとの話。


 小説だけは、自分の好きなものだけを読んでたけど、他は、流行ってる音楽を聞いて、流行ってる動画を観て、流行ってるマンガを読んで、みんなと話が合わせられるようにしてたよ。


 夏休みにね、クラスの友達に勧められて、流行はやっているっていうマンガを読んだんだ。それが、『もう一度、恋した。』だったの。


 作品紹介に「幼馴染との胸キュンラブコメ!」って書いてあって、わたしは自分の手に入らないものを、物語で読んで「尊い……!」ってなるの大好きだから、わくわくして読み始めたんだ。




 だけど。


 読み進めていった時、予想してたワクワクなんて全部吹き飛んじゃうほど感動したの! 感動っていうよりも、衝撃っていう方が近かったかもしれない。




 だって、これ、わたしがずっとしてきた叶わなかった妄想を、そのまま形にしたみたいな話だったんだもん。


 その時、思い出したんだよ。


 わたしが蓮くんに送った手紙にも書いていた妄想と、蓮くんが読書感想文の時間に読んだ『ラブレター』を。





『ぼくが、その子の分まで生きていきます』






 あの時は、「わたし、死んじゃったみたいじゃん」って面白がってただけだったんだけど。


 でも、違ったんだよね。


 気づいたんだ。





 わたしが送ることの出来なかった、あの町での暮らしを、蓮くんはこうして形にしてくれたんだって。いつだって、本当にわたしの分まで、あの町で生きていてくれたんだって。







「約束、守ってくれたんだ……」






 本当に本当に嬉しくって、涙が流れたんだ。


 嬉し泣きなんて、人生で初めてだったよ。


 ずーっと探してたものが、ここにあったんだって、蓮くんがここに置いておいてくれたんだって、分かったんだ。


 この、男勝りなかっこいい女の子や、おしとやかな女の子との、一緒に過ごした未来なんだって。……なぜか、不愛想ぶあいそな男の子は登場しないけどね?


 もちろん、偶然ってこともあるかもしれない。


 わたしは、本当に蓮くんなのかなって、作者さんの名前を改めて見てみたよ。


 佐藤さとう明日葉あすは


 女性みたいなこの名前を、わたしは、どうにか『須賀すがれん』と結び付けられないか、色々考えたんだ。


 佐藤さとうの同音異義語で、まず『砂糖さとう』が浮かんだ。『砂糖』を英語にすると、『sugarシュガー』。もしかしたら、『須賀』と似てるかも。でも、違うかな? どうかなあ。じゃあ、明日葉は? そっか、れんは「はす」とも読むんだ。hasuを入れ替えて、一文字足して、asuha。んん、ちょっと無理やりっぽいなあ……。


 本当はどうか、分からない。でも、もう止まらないよ。


 今まで真空パックしてた小2までのワガママなわたしが叫んでた。


 もし、蓮くんが佐藤明日葉さんなら、わたしは、蓮くんにいくら頑張っても返せないほどのものをもらったんだもん。


 そのお礼が言えるなら、わたしはなんだって出来る。


 でも、ね。学年の誰も、佐藤明日葉さんが須賀くんのことだなんて、全然言ってないの。それは、もし蓮くんが佐藤さんでも、きっと隠してるってことなんだろうなって。


 今、隠してるんだから、直球で聞いても、絶対に『そうです、僕が佐藤明日葉です』とは答えてくれないでしょ?


 それで、わたしはたくさん考えたんだ。


 この謎解きの答えを確実にするヒントをもらえるように。


 それで、夏休みが開けた最初の日の放課後、須賀蓮くんのところに向かったんだよ。


 あの妄想の主だと気づいてもらえるように、ありったけのわたしの妄想を書き連ねたノートと、一緒にいるための口実をたずさえて。


* * *


「うわあ……」


 今までのどれよりも圧倒的に長い小佐田劇場を聴き終わり、おれは、もう感嘆かんたんで、それ以上の声が出なかった。


「ねね、蓮くん」


 それでも、小佐田は、続ける。


「蓮くんが、わたしを主人公にしてくれたんだよ。もう二度ともらえないと思った未来を、思い出をわたしにくれたんだよ」


 そして、その大きな瞳には涙が輝いていた。


「だから。ずぅっと言いたかったことを、言わせてください」


 おれは声にも出せずに、うなずく。






「蓮くん、わたしに、ふるさとをくれてありがとう」





 そのシンプルな言葉に、おれはその場にへたり込みそうになる。



「そう、だったのか……」


 不出来なミステリー小説の種明かしのような小佐田劇場の、おれに関する部分については、すべて正解と言える。


 まず、おれは『もう一度、恋した。』の原作者・佐藤明日葉その人である。


 おれはずっと、あの手紙の主に会いたかった。


 そのために考えたのは、あの手紙の主の妄想をそのまま小説にしていくこと。それが彼女が一番読みたい小説だと思ったのだ。


 おれと手紙の主をつなげた『最後の手紙』は小説投稿サイトに投稿されたものが出版社に発掘されて小説になったものだった。多分、当時はいわゆるケータイ小説っていうやつで、web小説とも呼ばれていない時代だったらしい。


 あの手紙の主なら、きっとその小説投稿サイトに来る可能性が高いと踏んでそこに小説を投稿し始めたのがはじまりだった。


 ペンネームについても合っている。女子の妄想を書くわけだから、女子の名前の方がいいかな、ということは考えた。他の候補に名前と名字を入れ替えて「波須はす沙都さと」というのがあり、それと最後まで悩んだが。


 中学のある日、サイト上で行われている投稿コンテストに何の気なしに応募した。せっかく書いてるし、くらいの感覚だ。


 URANOという新人漫画家が少女漫画の原作を募集している、という小さな賞で、ボタン2つで応募できたのでしてみたところ、URANO先生のご指名を受けて漫画化が決定したという流れだ。






「……いくつか、質問してもいいか?」


 少し落ち着いて、おれは小さく挙手をする。


「なぁに?」


「つまり、小佐田が手紙の相手ってことなんだよな……?」


「うん、そうだよ。驚いたっ?」


 サプライズ成功、みたいににひひと笑う。


「いや、驚いたとかじゃなくて…… 。まず、すぐ引っ越すって言ってなかったっけ?」


「うん、そうだね」


「あと、おれの、その……『ラブレター』を聞いてたのになんでおれに声かけてこなかったんだよ?」


 おれが尋ねると、


「どっちも理由は一緒」


 と小佐田は答える。


「半年後に引っ越すってことは分かってたからさ、仲良くなったら、お別れが辛くなると思ったんだよ」


「まじかよ……」


 とんだブラフだ。ひどい。


「ええ、じゃあ、あの幼馴染狂いも、全部そのための……?」


「ああー……それはね」


 小佐田は眩しい笑顔で笑う。


「わたしが幼馴染ものが大好きなのは、もとからだよっ?」


「そっか、それは、なんというか、良かったな……」


 あれが作り物だったらおれはもう何も信用出来なくなるところだ。




「ねね、わたしからも質問していい?」


「なんだよ?」


 おれが首をかしげると、小佐田は急にもじもじし始める。


「タイトル、『もう一度、恋した。』って……どうして? その、もしかして、わたし、というか、その本の手紙の子と再会したら、好きになっちゃうとか、そういう……? ってことは、つまり今のわたしのこと……」


「いや、それは、おれが付けたタイトルじゃない」


「ええっ!?」


 小佐田が全身で驚きを表現した。


「それ、漫画家のURANO先生が付けたタイトルだよ。原題は別。再会したあとにもう一回恋するのもURANO先生のアイデア。そもそも、幼馴染に重きを置いたラブコメにしようっていうはURANO先生のアイデアだな。おれはもともと、手紙の主が過ごせなかったあの町での暮らしを書いてただけだから……」


「ええっ!? それ、すっごく根幹のアイデアな気がするんだけど……」


 小佐田が再度驚く。そりゃそうだろうなあ。


「おい、ダメ出しをするな。そんなことはおれが一番分かってる」


「あはは、そだよね。ごめんごめん。えと、それじゃ、元々のタイトルは?」


 そう聞かれて、おれは苦笑まじりに答えた。


「おれが最初に付けたタイトルは、その手紙の主に届いて欲しいと思ったから……『君に届け』」


「やっちゃってるじゃん……」


「やっちゃったんだよ……」


 言わずと知れた名作がすでにあることをおれは知らなかったのだ。少女漫画のことをそれっぽっちも知らない。なぜなら、少年だったから。


「あれ? でも、『もう一度』恋するのはURANOさんのアイデアってことは、一回目の恋は……」


「おい、深掘りするな」


「いや、これは大事だよっ! ねね、教えて?」


 せがまれて、おれはため息をつく。


 ……深掘りするな、と言ったのに。





「……おれの初恋だったんだよ」






「うぁ……」


 小佐田が顔をかぁ、と赤くする。


「いきなりそんな素直にならないでよぉ……」


「うるさい。おれは、あの手紙の人の、返事をくれたことも、その妄想も、大好きだったんだ。もう他の女子なんか、それがどんなにかっこよくても、どんなに清楚せいそ可憐かれんでも、見向きもできないくらい」


「ちょ、ちょっと、それ以上は……!」


「おれだって……」


 喋っていると、沸々ふつふつと、思いが込み上げてくる。


 おれは無愛想かもしれない、おれは普段笑わないかもしれない。だけど。





「おれだって、ずっとお前・・を探してたんだからな?」





 もう止められない。


 自分でも訳も分からず、小佐田の肩をガッとつかんでいた。



「ずっと……お前に会いたかったんだ。そのために、全部……!」


「ねね、蓮くん、近い……!」


 にじりよっていくおれに、なぜか目を閉じて何かを覚悟した小佐田。


 と、その時。




「おーい、蓮?」「蓮君、それ以上は、ねえ?」


 ツートップが背後から現れた。


「あ、あずさちゃん、凛子りんこちゃん……!?」


「お前ら、どっから聞いてたんだ……!?」


「ぜーんぶだよ……もー、隠し事はナシだろー? つーか隠し事がでけーよ。お前が少女マンガ書いてたとかわけわかんねーよ……」


「まあ、私はだいたい察していたけどね」


 呆れ目をしている梓と、涼しげな顔をしている凛子。


「つーか、菜摘なつみ


「へ? わたし?」


 いきなり矛先ほこさきが自分にむいて肩をはねさせる小佐田。……と、おれも肩を掴んでいたことに気づいて、そっと手を離す。


「今、もしかして、『わたしこそ蓮にとってのまさしくしんの幼馴染!』とかって思ってんじゃねーだろーな?」


「というか今、小佐田さんはなんで目をつぶったの? まだそんなことを許した覚えはなくってよ?」


 凛子、『なくってよ』ってなんだよ……。


「えっ? あ、でも、さっき蓮くんが、初恋がわたしだって……」


「いや、あたしらが認めてねーよ」


「そうだね。私、本当に大切なものとか思いは本当に大切な人にしか託さないと決めてるので」


「ええっ!? 凛子ちゃん結構ひどいこと言ってない!?」


 小佐田がひええ、と身をすくめるのに対し、2人が詰め寄っていく。


「菜摘は蓮のほくろの位置を全部把握してるか?」


「小佐田さんは今まで蓮君のとった成績と得点をすべて把握している?」


「え、2人ともそんなの把握してんの?」


「「当たり前でしょ」」


「うわあ……」


 おれもわけが分からなくなっていた、その時。





「へえ、すごい」


 



 ボーイッシュな声がして、4人でバッと振り返ると。


 いつの間にいたんだろうか。


 写真の前には黒縁くろぶちのメガネをかけて黒髪ショートヘア、黒いTシャツに黒いパーカーを羽織はおる、またもや小柄な女子がいた。え、誰……?


「担当から聞いたから来てみたら、この写真、構図も画角がかくも完璧じゃないか……。これ撮ったの、キミ?」


「は、はい……」


「ん? もしかして……」


 黒髪女子はメガネをかけたまま、ぐうっと小佐田に顔を近づける。


「……やっぱり。キミ、小佐田おさだ菜摘なつみだね?」


「へ?」


「で、キミが須賀すがれんくんか。……大きくなったね」


「はあ……!?」


 知らない人に突然名前を言われた上に、背格好の話までされて混乱する。


「そっちの2人は……アズリンか」


「まとめんな」「まとめないで」


 あまりの急展開に再度度肝どぎもを抜かれていると。




「久しぶり、4人とも。ああ、これじゃわかんないか」




 そういってその少女はメガネを外してフードをとる。


 するとそこに童顔の美少女が現れた。




「お前、希乃きの……!?」「浦本うらもとさん……!?」




 梓と凛子が呼んだその名前は。





 小学校6年生まで同じ学校に通い、中学で離れ離れになった、幼馴染・・・の名前だった。






「おいおい、れん君。かくれんぼでの隠れ場所を教えた恩を忘れたのかい? あんなに密着して一緒にいたっていうのに」


「かくれんぼって……!」


『れん君にだけ、ここ、教えてあげる』


 そっか、あの時の……!


「恩とかじゃねーだろ、希乃が3年生の時にあたしと蓮を一瞬で見つけたんだろーが」


「同じところに隠れる方が悪いだろう、それは」


 梓がツッコんで、おれは事実を認識した。


 1、2年の頃にかくれんぼで一緒に隠れて、3年生の時にそこに隠れていたおれを見つけた女子が、まさしく。


「れん君、思い出したかい?」


 ふふ、と嬉しそうに笑い、その女子はようやく自己紹介をする。





「ボクは、浦本うらもと希乃きの。久しぶりだね?」






「「ボクっ……!?」」


 おれと小佐田の2人の声が重なる。


「なんだよ、その二次元的な記号への圧倒的な理解は……。ってまあ、れん君、いや明日葉先生の方は当然か」


 不敵に笑った浦本は、ただでさえ事態を飲み込みきれていないおれたちに、さらに上回うわまわる事実を告げる。







「そして、『もう一度、恋した。』、作画担当のURANOです」






 おい、まじかよ……!


 驚きで声の出ないおれの横。


「蓮くぅん……」


 泣き出しそうな顔の小佐田が、おれの裾をつまんで上目遣いにこちらを見てくる。







「わたしが最強の幼馴染になった瞬間に、超本命の幼馴染が出て来ちゃったよぉ……!」

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