第三十一話:マシンガンと幼馴染
「まずはね、
定食を食べ終わった
「家に入るところから、一つ一つ検証していこっか。基本的にはおかあさんがいなかったらどういう流れになっていたか? ってことを考えたいかなっ」
「小佐田の母さんがいなかったら、おれはあのまま帰ってたと思うんだけど」
「えぇっ!? だって、おかあさんが帰って来なかったらやりたかった課題がいくつもあったんだよ?」
いや、『だよ?』って言われても……。
おれと小佐田の間にあるカステラは3切れ。
そのうちの一つを小佐田は「わーおいしそー」とか言って
「課題って、例えばどんな?」
小佐田は、おれが
飲み込んだかと思うと、その口を、再度話すために開いた。
「さっき言ってた『部屋についてコメントされる』が一つでしょっ? あとあと……」
んーとねぇ、と一瞬だけ
「『座るところがなくてベッドの上に座る女の子に男の子がほっぺを赤くする』『しまい忘れてた下着を見られて、
「うーわあ……」
おびただしい量の課題(というか妄想)がその小さな口からすらすらと放出されていく。ていうか、なんか、目が
「あとね、『昔お祭りの
「ゴホッゴホッ」「ちょっと、大丈夫ぅ? 今日いっぱいせき出るねぇー」「だ、大丈夫……」
小佐田の向こう側ではなぜかまた金髪の先輩が
「あとは昨日みたいな雨のパターンだと、『ずぶ濡れになっちゃった女の子がシャワーを
「うん……」
「んー、でも、これってもしかしてちょっと悪趣味かな? なんか、そういうシチュエーションって横取り願望の
「そっすね……」
今回は、物量の多さと小佐田の本気感が結構本当に怖いな……。
『昨日はおかあさん帰ってこなければもっと色々できたのにーって!』
先ほどの小佐田の言葉を思い出すと、小佐田の母さんが帰ってこなかったらこの課題を本当に実行させられていたかもしれない。『もっと色々』の次元じゃないだろ……。
本当に小佐田の母さんが帰って来てくれてよかった。改めて感謝を捧げるとともに、
「やっぱそのカステラ、家に持って帰ってくれ」
とお願いした。
「ん? どしてカステラ? 今わたし、カステラの話してないよ?」
「うわあ……」
「お、小佐田の話は全部聞いてたよ。なんていうか……すごかった。だから、おれは今小佐田の母さんに感謝をしてるんだ」
「ふーん?」
さすがに
「ていうか、そういえばおれの母親と小佐田の母さん、なんか今でも連絡取り合ってるっぽいし。失礼があったら、おれの母親からおれが怒られるだろ。だから、頼むわ」
失礼があるということすらおれは今朝
「ほぇ、そなの? うちのおかあさんと須賀くんのお母様が?」
お母様って。
「うん。だっておれ、小佐田が
「そなんだっ! んん、親同士が仲良しってことは……そっか、そういう可能性も、あるのか」
「そういう可能性……?」
「んーん、なんでもない。ちょっと整理してから話すね」
「おう……?」
え、まだなんか話されることがあるの? もうお腹いっぱいなんだけど……。
「でも、カステラのことは分かった! 少なくとも、須賀くんからもらったって話はちゃんとしておくね」
にこっと優しく微笑む小佐田。そのまともな面、もっとおれにも見せてほしいな……。
「そっかぁ、親同士かぁ、なるほど……」
突然神妙な顔して何かを考え始めた小佐田に、なんだか
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