冷たい雪の夜の片隅。
それまでの居場所から飛び出した少女はそこでうずくまり、ぼう、と人波に目をやっている。
通り過ぎ行く人々に、多様な幸せの暖かみと色とかたちを感じ取りながら、微睡まんとする瞼を持ち上げつつ彼女は何を思い馳せるか。
何をしているんだろう。
どうなりたいんだろう。
誰を待ってるのだろう。
人外が多種多様に目の前を横切る様も、脳内には非常に嬉しい映像です。
断片、導入、派生そして個としても成る当作品は、短いながらも『想う気持ち』がふんだんに詰められています。
寒く凍える手にその吐息を吹くように、そっとページを開いてみませんか。