第三五三食 うたたねハイツとデリバリー①
★
話を
「……あれ、
「!
母親から頼まれておつかいに来ていたひよりは、偶然にもそこで大学帰りに買い物へ寄った
「随分久し振り――でもないか。こないだ
「はい」
青年の言葉に
「普段なら真昼が
「私もです。あの子、通学路だろうと休み時間だろうと、ほとんどずっと家森さんの話ばかりしていたので。『今日はこんな服だった』とか『こんなことを言ってた』とか……おかげで私、家森さんの当日のコーディネートから
「な、なんかごめんな、うちの彼女が……」
気まずそうに頬を
「そういえば、小椿さんたちは俺と真昼になにがあったのか、もう知ってるんだっけ?」
「はい。私は
「そっか……友だちからすれば心配だよな。ごめん、俺が
「いえ、今回のことはあの子自身の責任ですから、家森さんのせいじゃありませんよ。……個人的な感情を言わせてもらえるなら、娘をあんなに悲しませる父親が一番悪いと思いますけどね」
「め、目が怖いよ、小椿さん……」
勉学を
「そ、それよりどうだろう、小椿さん。真昼、無理な勉強とかしてないかな? 一応前に注意はしておいたんだけど、あの子は真面目だから自分を追い込みすぎてないか不安でさ。あれから本人とは一度も会えてないし、メッセージとか電話もほとんどしてこないから……」
「……あまり大丈夫じゃないかもしれません。あの子、勉強漬けで最近あんまり寝てないみたいだし、お昼ご飯の量も明らかに減ってます」
「!」
驚き、目を見開く夕。風邪を引いた時でさえ食欲はほぼ
「……ごめん、小椿さん」
しばらく何事かを考え込んだ後、夕が静かに口を開く。
「ちょっと小椿さんたちに頼みたいことがあるんだ。聞いてもらえないかな?」
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