平日の昼間症候群
春馬れい
本文
僕にとって「平日」とは、休日の反対程度の認識しかなかった。学校に行く日、仕事に行く日、カレンダーの色なしマスの日…。とにかく普通の日。
ところが、何かしらの理由により平日でありながら普通ではない1日を送るシーンがある。体調を崩す、有給休暇を取る、夏休み等の長期休暇に入る場合などは代表例だろう。そんな時、大抵の人は「遊ぶ」「寝る」「普段出来ていない事をする」など、大いに有効活用を試みるはずだ。
昨今、某新型ウイルスの蔓延によって学生の皆さんが休校になったり、社会人の皆さんはテレワーク等の在宅勤務を実施していることと思う。かく云う僕自身も、半自宅待機のような状態だ。遊ぶことも寝ることも、出来ていないことも案外あっさりやり尽くしてしまい、困っている方も多いのではないだろうか?
そして、数多の過ごし方に飽きた今、僕はとある症状に見舞われている。それは「こんなにものんびりとした生活が存在したのか…!」と、平日の休みの真の姿を垣間見た結果、「社会復帰できないのではないか…?」と不安になってしまう状態のことである。僕はこれを「平日の昼間症候群」と名付けた。
平日の昼間症候群は2種類ある。ひょっとするとまだまだあるかもしれないが、ひとまず2つ挙げよう。
一つ目は、「お茶の間ローリングゴロゴロ型」である。これは、朝の番組に始まり、通販番組を経てお昼のワイドショー、午後のドラマ再放送を視聴後、気付けば夕方のニュース…といった具合に「しっかり起きてはいるがゴロゴロしながら1日中テレビを見たりしている」ことで、1日をヌルく平和に過ごし夜になってアクティブになり、最後は夜更かしするタイプである。
このタイプの場合、スマホを常に触っていることや、お菓子を摂取していることも特徴的だ。
そして2つ目が、「おセンチ徒然草タイプ」である。こちらは前述のお茶ゴロ型と違い、比較的不摂生ではない。しかしながら、精神的にはこちらの方が難しい。例えば、晴れた日に洗濯物を干すとしよう。おセンチ徒然草タイプの場合「あぁ、何ていい天気なんだ!いとをかし。それに洗濯物もいい匂いだ。いとをかし。道端では花が咲き始めている、もう春が来るんだ!いとをかし。」などと、平日休みをエンジョイすることができる。なぜなら、もともと詩的な一面がある方が多いからだ。
ここで問題となるのは平日休みが終わった後だ。夢のような日々から、突如として現在に戻される。おまけに休み明けは大抵の場合、非常に忙しくなる。いとをかし、と言えなくなった彼ら・彼女らは一体どうなってしまうのだろうか…!
このように、平日の昼間症候群を発症すると大変なことになるのである(言い切ることで妙な説得力が出るものである)。皆さんも気を付けていただきたいと切に願う。
僕が今回お伝えしたいことは1つだけなので、それを持ってこの駄文を締め括りたいと思う。
「普段観られないヒルナンデス観られて嬉しい!!!」(発症済み)
平日の昼間症候群 春馬れい @harumarei
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