第4話 向かうは聖都
僕は男気あふれる優秀な借金取りロイドさんの粋な計らいにより雑貨店復興へいよいよ歩き出した。
まず始めに、ロイドさんの勧めでこの世界が今どう言う状況で何が必要とされているか見て来いともっともらしいことを借金取りに言われてしまい…今は船の上にいます。
「マイネおじさん昔すごかったんだねロイドさんから聞いたよ」
「私の話?大したことはないよ、生まれた町を出てその罪悪感を忘れたくて仕事に逃げていたら気がついたら伝説の旅商人と言われるようになっただけじゃよ」
「それでもマイネおじさんはすごいよ!僕もマイネおじさんと同じくらいすごい雑貨屋になるよ!」
「意気込むのはいいが今からそんなんだと先が持たないよジン君、なんせこの船は後10日間は海の上なんだからね…気が重いよ」
僕は船の上は楽しいが、マイネおじさんのご老体には少しきつかったようだ…
まあ僕も10日間あったらちょっときつくなりそうだし、工房が心配になる…
「あら?あなたあんまり見ない顔ね?おじいちゃんと旅行にでも行くの?」
顔を上げるとそこにはショートカットで綺麗に整えられたきれいな髪に澄んだ青い瞳を僕と同じくらいの女の子がいた。
「え?あっ違うよ旅行じゃなくて今から聖都に仕事しに行くんだよ!」
「あらそうなの?今は聖都も仕事が少なくて大変らしいのよ、兵士だった人たちはリストラさせられて武器商人たちは国を跨いではるか東の火の国に行って武器を売ってるみたいよ」
女の子は世界の状況に詳しかった。
まだ武器が売れる国があることを知った。
でも、モンスターがいないのに武器が売れてしまうということはそういうことだ。
悲しくもある。
「おい!マリン!もうすぐ港に着く準備始めるぞ」
「あ!もうそんな時間!?後であなたたちの話も聞かせてね?聖都に行くならまだまだ一緒なんだから」
「あっ!うん!僕はジンだよ!」
「私は…わかってるよね!マリンだよまた後でね!」
とびっきりの笑顔でほほ笑みかけて彼女は駆けていった。
元気でいい子だった。
しかも僕と同じ年でお父さんの仕事を手伝っているようだった。
「ジン君、青春だねえ」
「別にそんなんじゃないよ!ちょっと話しただけじゃないか!」
「そんなにムキになると逆に怪しいよ」
「あーもう!港に着くんだからマイネおじさんは外の空気吸ってきなよ!」
「おーこわいこわい、じゃあお言葉に甘えて私は停泊している間は外でゆっくりしてくるよ」
マイネおじさんが変なことを言うからこのあと話すときに意識してしまう。
まあ、いい子だなとは思ったけど…可愛かったし
船が最初に停泊する街は大きな街の一歩手前、伝説の勇者の生まれた地ウインガーデンだ。
ウインガーデンには伝説の勇者博物館など勇者にまつわるものがたくさんある。
僕もこれから自分の店で売る物と工房で作る物を考えねばならない、だから停泊中は一秒も無駄にはできないのだ。
僕も着いたら街へ行こう。
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