第3話 黒猫
瞼を開けた先に広がっていたのは、三途の川でもなく楽園でもない。見慣れた病室。どうやら死んではいなかったようだ。
窓の外は漆黒の闇に包まれ、いくつか星が散らばっている。すっかり夜だ。
いつの間にか例の自称鶴少女はいなくなっていた。代わりに、どこから入ってきたのか、黒猫が一匹。
「お、起きたね。いやぁ説明不足で申し訳ないね」
喋った。
「ね…猫が喋った?!」
「おいおい、今更驚くのかい?鶴と喋ったくせに」
「いや別に信じ切ったわけじゃないからね?」
「まぁなんでもいいや、とりあえず君にはデスゲームに参加してもらうから」
「ゲーム?」
唐突になんだ
「デスゲームっていうと小説とかでよく出てくるあれだよな、負けたら死ぬっていう……」
「そうだよ、まぁ君の場合デスゲームなんて言われてもどうせ参加しないよね。でもそれじゃ面白くないから半ば強制的に参加してもらえるように細工をした。あの朝の占いや突然の余命宣告はそれだ」
「なるほど、ふざけるな」
「さぁ、じゃあルールの説明といこう。といってもルールは簡単。これから余命が来るまでの一ヶ月間、鶴と簡単な勝負をしてもらう。ゲームは一日一回、つまり31本勝負ってところだね。その勝負に勝つことができたらこの折り鶴をあげよう。そして10羽の折り鶴を集めることが出来たら、君の勝ち。君を完治させてあげよう。でももし集められなかったら君の負け。あと、3連敗しても負けになるよ。その時は余命関係なく僕が君の命をもらうから、覚悟してね」
「お、俺の命をもらう?」
「そ、僕こう見えて死神だからね」
どこからともなく鎌が現れる。なるほど、これですっぱりというわけか。
「それと……あの鶴に負けるようにお願いするのは禁止ね。その時はペナルティとして即君の命をもらうよ。まぁもっとも、あの鶴は今僕の呪いにかかって、僕の操り人形状態だからそうなることはないだろうけどね」
まぁ要するに勝てばいいんだよな。簡単な話だ。絶対勝って生きてやる。
「あ、ちなみにさっきのオセロもそれだから。早速1黒星だね、まあ頑張れ(笑)」
…………
めのまえがまっくらになった
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