籠の外17
「勝手な行動は困りますよ、時間に差し支えます」
「あ!いたーーー!!」
叫ぶシュガーの声に振り返ると最初に会ったスーツ姿の男が懐中時計を片手に立っていた。
「お前何処に行ってたんだよ!オイラ達探してたんだぞ!?」
シュガーがぴょんと一跳ねで男の傍に寄ると男は懐中時計の蓋をカチッと閉じて懐にしまうと、ぬっと腰を曲げてシュガーの目前に顔を突き出した。その顔は無表情で、ぐっと見開かれた瞳が恐ろしさを感じさせた。
「お探ししていたのは私ですが・・・まぁいいでしょう。ご案内致しますので今度ははぐれる事の無いようついてきてください」
腰を伸ばし、また元の美しい姿勢となった彼は今まで通りの笑顔を貼り付けていた。
さっき見た男の一瞬の表情が怖かったのか、直ぐにシュガーは俺の腕にしがみついて離れない。
これ以上男の指示に従わないのは利口では無さそうだ。
男に促されるまま、俺たちは後をついて歩いた。
エデン〜タウン編〜 不知火美月 @kurousky
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