第13話 もしかして.....苦手?

「いやだなぁ、期末テスト」

「そか、もうそんな季節かぁ」


体育祭も終わり、結構経った。


その間、明音ちゃんとは少しずつ交流を深めていき少しくらいは話せるようになった。


凛さんとは...........まだ、あんまり話せていない。


「結人教えてくれー」

「うーん、少しだけならいいけど」


前まで、父さんにあまり負担をかけないように、学費が少しでも安くなるのならと思って真面目に勉強してきたから、毎回結構高い順位を取れている


そもそも勉強が嫌いと言う訳でもないし。


そういえば、あの二人って勉強できるのかな?


凛さんと明音ちゃんも見た目すごく勉強できそうな感じがするから、問題なさそうだけど


「じゃあ、今日の放課後な」

「じゃあ、図書室で」

「いいけど......結人の家ダメなのか?」

「僕の家にいるとお前遊びそうで、勉強が捗らなさそうだからダメだ」

「うーっす」





育人との勉強会が終わり、家に帰宅して最初に......


「ただいま」

「おかえり、結人君」

「おかえり」

「おかえり......兄さん」


これだ。すごく心があったまる……


一度部屋に戻り、着替えてリビングに戻る。


母さんは料理をしていて、凛さん、明音ちゃんはテレビを見ているみたいだ。


「……今日は遅かったね。何かあったの?」


明音ちゃんが、心配そうに聞いてくる。多分手の件を心配しているんだと思う。


「え?あ、いや友達に勉強を教えて。もうすぐ期末テストだから」

「……そうだね」

「明音ちゃんや、凛さんは大丈夫ですか」

「私は大丈夫」


凛さんは毅然とした態度で受け答えをする。まだ、仲良くなるのは遠そうだ。


「...........私も大丈夫です」


そう明音ちゃんも大丈夫だというけれど、どこかおどおどしている。


もしかして......


「もしかして......勉強苦手?」

「……そ、そんな事...........ぁります」


恥ずかしいのか、俯いてしまう。


「私がまた勉強教えてあげよっか」

「うーん......」


なんだか微妙な顔をする明音ちゃん。何かあるのだろうか。


「凛。ちょっと手伝ってー」

「分かったー」


凛さんが出て行った。


「もしかして.....凛さんって教えるのがちょっと苦手なの?」

「え?……どうして分かったの?」

「何となく、明音ちゃん戸惑ってたし」

「でも.....私がたんに物覚えが悪いって言うのもあると思う」

「えっと……い、嫌じゃなかったらでいいんだけど」

「?」


こてっと首を可愛らしく傾げる明音ちゃん可愛い.....じゃなくて


「その……勉強教えよっか?」

「い、いやじゃないけど.....良いの?」

「僕も教えるの下手かもしれないけど」

「あ、ありがとう」


まだ、僕に対して遠慮があり素直に頼ることが恥ずかしいのか俯いてしまう。


「じゃあ、明日土曜日だしリビングでやろっか」

「う、うん」





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