そしてまた花は咲く

 薄桃色の桜の花びらを朱色に染めようと、根元に埋まった人の子だったが、流血させていたわけではなかったので、木の根が赤い液を吸い上げられるわけもなく…。

 ただ、開花した量だけは例年よりも多かったんだとか。

 樹の根元には季節を問わずに彼岸花が咲いており、気味悪がった住民が駆除しようとしたけれど、そんな住民の腕には見覚えのない痣が出来てしまったらしい。

 何回か繰り返し起こってしまったので、諦めた住民たちは、彼岸花と満開に咲く桜の花を楽しむ様になったんだとか。


 少年の家族は捜索願を出したが、見つかることはなく。

 何年経っても手掛かりすら見つからない。

 少年が土に埋まって初めて迎えた春の日。

 甘い蜜の香りに誘われて集まり、宴を開く人間達。

 それは蟲でも人でも同じこと。

 けれど、同じようでいて違う事があった。

 蟲たちは『毒』を持っていても、それが地球からだにとっての『毒』になる事は少ないでしょう?

 地球からだにとっての『毒』を生み出す生命たちは、皮肉にもこの文字を読めるのだけどね。


 さて、この文章がオリジナルなのか改編されたものなのか…。

 どう解釈するかはあなた次第。

 感想を直接聞けないのが残念だけれど、その時を楽しみに待っているわね。

 H.S.

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(雫のイラスト) 桜木 彩 @aya_sakuragi

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