蝉が鳴き始めるころ
暑いと嘆きながらも
熱さに感化され更に燃え上がり
そのすべてが
この季節には期末テストが実施される。
これを書いた日も、朝からテストが実施された。
テスト当日は、休み時間に教科の準備をしなくていいから、読書が出来て好きなんだけど…いつも以上に慌ただしくてうるさくなるので、あまり集中はできない。
なんて文句を言いながらも、返却期限が迫っているのでページをめくる。
一番前の席で文庫本を開く僕に、担任の先生が声をかけてきた。
お願いだから邪魔しないでおくれよ…。
ただ静かに読書をしているだけじゃないか。
「テスト勉強はしなくていいの?」
「……」
「他の皆はちゃんと勉強しているのに」
「…だって必要ないですから」
僕はいつも不思議に思う。
学校の中間・期末テストって『普段の授業の知識がどのくらい身についているか』を確認するツールなんだと。
つまり、テスト当日までにどのくらい知識を保持し理解できているかが重要なはずで、それを数値化させるために点数が付いている。
だから、テスト期間中に授業で不足している知識は補充すればいい。
学校のテストは、点数稼ぎを目的にしてしまっては、何のために学校に通っているのかわからなくなってしまう。
まるで、高得点を画面に表示させることを目的にしたカラオケみたいにね。
音程がズレていても感動できる歌があるように。
また別の日には、プールの授業。
僕が学校で受ける授業の中で、唯一と言っても過言じゃないくらい真面目に受けている授業。
座学の授業とは違って、プールの授業は今後の生死に影響してくる可能性があるから。
それは海水浴とかで遊ぶためではなくて、もしも溺れてしまった時に必要になってくる知識だから。
その中でも年に一回ある着衣水泳の授業は、より一層真剣に。
死に向かう声を聴きながら、生に向かう知識を得る季節。
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