16 お金
前回の最後に「1ゼン=10円は当てにならない」と書きましたが、つまりは、「1ゼン=12円だったりするかもしれない」という事です。
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円に換算したときにケタ数が明らかに違うという事はありません。
400ゼン(大銅貨40枚)を受け取り宿に戻った俺は、この収入の使い方を考えることにした。
そう。この世界では自給自足。「ママ~、お小遣いちょうだい。」などと言ってられないのだ。自分で生活費を稼がなければいけないのだ。
...と言っても、そもそも何が何ゼンで売られているかわからなければ、そもそも考えようがない。とりあえずそれを調べる事にする。
まずは、フォラスさんに借りているお金の返済を目標にする。
アレクさん曰く、「新人がギルドからお金を借りるのは珍しいことでもなんでもなく、その返済をが最初の目標になる冒険者がほとんどだな。ちなみに俺もそうだった。ギルドは冒険者に対しては利子をとらないから、最優先ではあるが、余裕を持って返すといい。」らしい。
1つ目は昨日の食堂での昼食代だ。この世界では朝と夜の一日二食が基本で、昼食をとるのは必要に応じてらしい...それを知らなかった俺は、宿代とは別に(朝食と夕食は宿代に含まれている)、昼食を借りることになった。くそっ。騙された。
借りてしまったものは仕方がないので、代金を見てみる。
黒パン一切れ...2ゼン
焼き鳥(ココ鳥という鳥のものらしい。)串一本...4ゼン
スープ(コンソメみたいな味、野菜もあり.)...4ゼン
計10ゼン≒100円...!?安っ!
冒険者ギルドが経営しているから、利益をほとんど考えていないらしい。つまりほぼ原価ということだ。こうしてみると、屋台とかがどんだけ儲かっていたかわかるな...。
これはフォラスさんに返せる。ついでに今日の昼食もとっておく。
400-20=380ゼン
2つめはここ、ギルド所属の宿の一泊の代金だ。もちろん日本のホテルのようなルームサービスなどは含まれていないし、利用する冒険者もそれを望んではいない。
もっといい宿ならいくらでもあるから、あくまでここは、「最低限のプライバシーがあって、寝泊まりできればいい」という冒険者のためのものだ...と勝手に俺は考えている。
現に、今俺がいるこの部屋も、鍵付きのドアが付いていて、中には硬いベッド、後は荷物を置くためのスペースと、食事はできる程度の机があるだけ。マ〇クラの序盤の、2ブロック×2ブロックの拠点みたいなもんだ。
従業員は一階の食堂の料理人以外はいなくて、冒険者ギルドの専用のカウンターで鍵を受け取る以外は個人の管理だ。
宿代に含まれるのは、二食+宿泊料で50ゼン。まあそんなところだろう。あ、昼食をとった食堂と宿の食堂は同じだから、一食10ゼンだ。
ということで、俺はこの世界に来てから2泊しているから100ゼン。
まだ3日目かー。色々新鮮な3日だったなぁとしみじみと感じる。
100ゼンは払える。払えるけど...日給を調べてからにしよう。
一日最低限必要なお金は、宿代と、やっぱ日本人として一日三食はゆずれないから昼食代で、60ゼン。今の所それだけしか考えられないが、一応予備で10ゼンブラスしておこう。これで70ゼンだ。
それに対し、日給はどれぐらいだろうか。
今日の依頼はチュートリアル仕様で報酬が高くなっているらしいから、普通の依頼は一つ70ゼンだと仮定しよう。というか実際そのぐらいだった。
それと、大きかったのが薬草を売ったお金だ。今日は運良く一本100ゼンのレアものを見つけられたからな。キュア草という真っ赤な花が特徴の草で、状態異常を治す解毒ポーションの主原料だ。ここ最近不足しているらしく、通常の2倍の値段で買ってくれた。
これを当てにしないと200ゼン。
合計270ゼン、貯金できるのは200ゼンぐらいか?
うん。これを毎日できるならそこそこ余裕があるかな。
それでは、フォラスさんに110ゼンを返しにいくとしますか。
...本当に借りてるのこれだけかな?
所持金:400-10=390ゼン(借金110ゼン?)
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日本での食パン(一斤)、焼き鳥、スープの原価も安いところだとこんなもんらしいです。
実際に売っているわけじゃないので詳しくは知りませんが。
詳しい方で「そんなんじゃねーぞ馬鹿が」と思った方がいらっしゃいましたら、教えてください。本文をできる範囲で訂正するかもしれません。
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