15 初依頼、達成!

帰ってきました。

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「依頼、終わりました〜。」




「お疲れ様です。どうでした?最初の依頼は。薬草採取でしたが、簡単でした?」




「はい。少し緊張していたんですけど、実際やってみると意外と簡単でしたね。」




と言って、油断させておく。で、カモフラージュでもう一言。




「門を出る時って、門番の人に冒険者カードを見せるだけでいいんですか?」




「そうですね、冒険者カードにも番号が書いてあって、それで識別できるので大丈夫です。まあちゃんと帰ってくれば何も問題無いんですがね。


で、持ってきたヒール草を見せてもらえますか?」




よし、ここからが本番だ。鞄から、葉の裏に赤い斑点がある草を10本取り出す。




「どうぞ」




案の定、スーさんは葉の裏を見て、やっぱり、という顔で言う。




「残念ですがユーキさん、これは…」


「どうです、ちゃんとアーク草でしょう?」


「…っ!!どうしてそれを…」




そう、その顔が見たかったんだ。思わずにやりとしてしまう。




「ちゃんと2階で調べて行ったんですよ〜。なんか怪しいなってね。そうしたらどうも、ヒール草によく似た毒草があるって書いてあるじゃ無いですか。裏側の斑点で分かるともね。」




そして追い討ち。




「こっちがヒール草ですね。いやー、これまで新人を騙せてきたかもしれませんが、僕はひっかかりませんよ。で、依頼は達成ですね?」




どやぁ。ちなみに門のすぐ近くはアーク草が多くて、ヒール草は少なくなっていた。何も知らない人が間違えやすいようにしているんだろう。




ごめんなさい。調子乗りすぎました。




「くっ、ユーキさん、完敗です。依頼の達成を認めましょう…!」




いやいや、そんな悔しそうな顔しなくて良いんですよ。というか、いつ勝負した?




「本当はこれで準備の大切さなどを知ってもらうはずだったんですけど、多分それも分かっているんでしょう。なら心配いらないですね。


はい、これで依頼は達成となり、報酬が支払われます。この場合は100ゼンですね。こちらになります。


また、依頼の最後に書いてあるポイントはランクポイントと言って、50ポイントたまるとEランクに上がれます。次は100でD、200でC、というふうに必要なポイントは2倍に増えて行きます。それに加えてCランク以上では試験が必要になりますが、それは後々説明しましょう。


他に何かありますか?」




「あの、他にもいくつか薬草をとってきてるんですけど、売ることってできます?」




「…いや、ユーキさんはすごいですね…初依頼でそこまでしてくるなんて。


とれた素材は、隣の買取カウンターで売ることが出来ます。値段はお任せいただいて大丈夫ですよ。この国ではギルドが一番信用できる組織なので。ただ、魔物の肉を除きます。肉屋に売るか、自分で食べて下さい。」




結局薬草は全部で300ゼンで売れた。依頼の報酬と合わせると400ゼン、4000円ぐらいか。


一旦宿に戻って、使い道を考えるか。

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4000円って言ってますが、異世界なんで物価も結構違うと思います。

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