17 返金

中々チートにならなくてごめんなさい。

そろそろぶっ壊さないとなーと思いつつ出来ていない今日この頃です。

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再びギルドのカウンターに行くと、たまたまフォラスさんがいた。


「おお、ユーキ。どうしたんだ?訓練を受けたいのか?」


会ったらいきなり訓練って、脳筋かよ。いや、この場合は魔力だから脳魔か?

そんなことはどうでもいい。ほんとにどうでもいい。


「いや、借りていたお金を返そうと思って。」


「そうかそうか。いい心がけだ。」


ん?当然じゃないのか?


「いや、最近の冒険者には借りたお金を返さない、常識の無い輩も多くてな。正直ユーキもそうであると思っていたからな。」


「それは...ひどくないですか?」


「いや、本当にすまない。まあ、なかなか返しに来ないようだったら私が直々に取り立てに行くだけだからな。」


早めに返しに来て良かった。


「それで、宿泊費2日分100ゼン、昼食代10ゼンと、」


え、まだあったっけ?なんかフォラスさんが悪そうな顔してるんですけど。怖い怖い。

ていうかここでタメ入れてる時点で悪意あるじゃん。誰か~、助けて~。


「訓練の時の魔力ポーション代200ゼン。あるんだよな?」


え?


「えー!?あれ借金に入るんですか?そもそもあんなのフォラスさんが勝手にやった感じじゃないですか!別に僕は、いらなかったんですけど!」


「そんなもの関係ない。お前が使ったというのは事実だからな。

さあ、冒険者になりたてのお前に払えるか?登録してまだ2日だぞ。全部合わせて310ゼンだ。

払えるんだよなぁ?」


言ってることはヤクザっぽいけど、顔はニヤニヤしてる。周りの冒険者も「ああ、いつものか」って感じでこっちを向いている。まさか、これも「誰もが一度は通る試練」ってやつか?

あー、なんかむかつくな。よし、ここは一つ。


「くっそー!!!!!はめられたー!!!!!!」


フォラスさん+冒険者たち「(ニヤリ)」×いっぱい


と思うじゃん?てか冒険者たち、お前もか。


「あるんですけどね。ほら310ゼン。」


「いやあるんかい!!」×いっぱい


その顔が見たかった。今日はいい顔が二回も見れたな。


「ていうかお前、ユーキだったか?どうしてんな金持ってるんだよ。

ギルマスの話だとまだ登録して2日なんだろ?最初の依頼も失敗だろうし...。」


一人の冒険者が食い気味に聞いてくる。


「あ、ヒール草採取の依頼ですか?成功しましたよ。ちゃんと調べたんで。」


「えぇーーーっ!?」×いっぱい


あの悪質な嫌がらせに気づいただと?と驚いている。

いや、逆に気付かないとか不用心すぎね?そんなもんなの?


「ちなみに、ついでに採ってきた薬草を売って300ゼン稼いだので。」


「ぎょえーーーっ!?」


なんか悲鳴おかしくね?


「いや、先見の明あり過ぎん?」

「なんで登録して二日でそんな事が頭に浮かぶの?化け物?」

「...やばい新人が入っちまった...。」

「ほぉーそんな方法もあったか~。」

「まあいい、今日は歓迎の宴だ。宴。酒もってこーい!」

「おい新人、お前も食ってけよ。夕食はあいつの奢りだ。」


いや、どうしてこうなった。あとフォラスさんは?

まあ、歓迎会には参加しますか。お酒は無理だけど。


あと、もう一つ言っておこう。


「今、奢ってくれるって言いましたよね?ここにサインしてください。」

「くっ、ばれたか。」




こうして、俺のチュートリアルは本当の意味で終ったのだった。



所持金:390ー310=80

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フォラス「まあ返せるんだったら何も言うことはない。帰るか。」


↑この文、入れるとテンポが悪くなるので入れてません。ご了承ください。


あと所持金は、お金が関係する話の最後には基本的に書く予定です。当面は。

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