13 依頼

依頼を受けます。とりあえず。

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というわけで、久々(と言っても2日ぶりだが)に冒険者ギルドの一階ホールにやってまいりました。


…朝の6時だと言うのに他の冒険者も20人ほどいる。みんな早起きだな。と思って受付のスーさんに聞くと、




「人気のある任務は取り合いになりますからね。ここ、ペル区は魔物の森と接していますから、ギルドに来る依頼の数もかなり多い方なので、依頼が足りないと言うことは基本ないんですが、それでも狙っている依頼がある人は朝早くに受けに来ますね。




せっかくなので依頼についての説明をしておきますね。仕組み自体は…流石に知っていますか。それでは実際の依頼受諾から達成までの流れを説明します。というか、今日は初めての依頼を受けに来たんですよね?」




そう。昨日フォラスさんに「初めての依頼はこちらで用意してあるから、明日は、昨日冒険者登録をした時の受付嬢…ユーキはスーだったか、の所に行け。そこで説明を受け、実際にやってみるといい。」と追加説明を受けていたんだ。チュートリアルみたいなものだろう。




「そうですか。それでは実際に依頼を受けてみましょう。まず、通常の依頼はあちらの掲示板に、推奨ランク別に表示してあります。」




そう言って指し示す手の先には…黒板?と言うよりディスプレイに近い、いかにも掲示板という感じの壁があった。依頼内容と依頼人、報酬と、ポイント?が箇条書きにしてあって、それに整理番号がついている。




「あそこの掲示板の中から依頼を選び、整理番号を受付で言うと、その依頼を受けた事になり、掲示板の依頼に赤線が引かれます。また、完了するとその依頼が掲示板から消されますが、依頼失敗、あるいは他のなんらかの理由で達成不可能となった場合は赤線だけが消され、他の人が受けられるようになります。


今回はこちらで依頼を用意していますが、一回その様子を見せましょうか。


左端を見ていてください。」




すると、「Fー00 ヒール草×10本を採取 依頼人:ギルド 報酬:100ゼン 2P」という依頼が表示され、赤線が引かれた。って、遠隔操作かい!ハイテクかよ!




「特注の魔道具らしいです。あ、操作できるのはギルド職員だけですよ。私も原理はよくわかりませんが。


で、あれが今回の依頼です。かなり簡単にしてありますし、報酬も割高です。


ヒール草というのは回復ポーションをはじめとする多くの薬に使われます。生えている場所は、ペル区の門を出てすぐにある魔物の森の。ほんの入り口あたりです。見た目は…こんな感じです。」




そう言って絵を見せてくれた。ふんふん、葉っぱがハート型なのが特徴だな。




「この絵は持って行って構いません。今後、こういう情報を知りたい時は2階の資料室にある図鑑を使うといいですよ。図鑑は流石に持ち出し禁止ですが。


あとは装備ですね。防具は、今回は目的地が門のすぐそばなので無くても構いませんが、今後森の奥に行ったりする時は付けてください。ユーキさんは優秀なマジシャンになれるでしょうから、こんな所で死んでしまうのは勿体無いですしね。武器も、まだ必要無いでしょう。


今回必要なのは、採取用のハサミと、持って帰る用の鞄ですね。これらはこちらで貸し出します。


それでは、気をつけて行ってきて下さい。」




こうして、俺は初めての依頼を達成しに行き…ません。まだ。


その前に、もう少し準備しておこう。





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スー「ただの薬草採取ですが…?(大嘘)」




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