9 魔力

「着いたぞ。ここだ…と言ってもギルドの裏に来ただけだがな。


ここは、冒険者ギルドペル支部がたてられたときは空き地だったのだが、昔から冒険者たちに魔法の試し打ちや新しい技の開発をするのに使われていたから、初代ギルマスが『なんかみんな訓練場として使っているからそのまま訓練場にしてよくね』と言って整備したのだ。魔法結界付きでな。


ここならいくら魔法を打っても基本的には周りの建物に被害が出ないからな。お前が賢者エレナ並みの魔法でも打たない限りだが。」




ふっ、それはフラグだ。そして俺はそのフラグを回収して…




「ちなみに万が一建物等を破壊することがあったら自己負担だからな。まあ知名度は上がると思うが...」




あっ、遠慮しときます。というか、




「その、エレナさんは破壊しちゃったんですか?」




「いや、破壊していないぞ。自分で魔法を打つ前に、『この程度の魔法結界では私の魔法は防げない。強化する。』と言ってそれまでの10倍ぐらいの強度のものを作っていたからな。それが彼女の魔法の威力をぎりぎり封じ込める強度らしいから、それを破壊するならエレナ以上の威力を出さないといけない、という事だ。」




ふーん。エレナさんってとんでもない人っぽいな。怖い怖い。関わらないようにしておこう。




「それでは、気を取り直して、魔法の練習といこうか。


まずは、魔力を感じるところからだ。というわけで、感じろ。」




「へ?」


なんか嫌な予感が...




「感じろ。感じるんだ。」




「むむむむむむ.....うーん、駄目ですね。」




「当たり前だ。できるやつはどうかしている。できなくてよかったな、ユーキ。」




おい。冗談を真面目な顔で言うな。




「いや、できるやつはできるんだぞ。魔法への適性が極端に高い奴とかな。エルフの村でも何人か『あ、なんかほわーんって感じがする~』とか言ってる奴がいたな。ユーキも魔法適性が高いのだからわかるかと思ったのだが、感じないか?血が通っているところとかに…」




うーん、血管かー。手首とか首とかのがわかりやすいっけ?ん?なんかほわーんとしたのが...


「あ、なんかわかった気がします。」




「...ユーキ...お前もか。」




そんな、家臣に裏切られたような目で見ないでくださいよ。フォラスさん。




「コホン、ま、まあいいか。一応説明しておくと、魔力というものは、生物の血液に溶けていると言われているエネルギーで、人、種族によってその溶けている度合いが違うらしい。ここら辺は専門家が絶賛研究中だ。


あと、普通は自分で感じることは出来ないから、ユーキが誰かに教えるときは、他人の魔力に干渉する魔法をかけてやると良い。治療魔法とかバフ魔法とかな。


次は、魔力のコントロールだ。」


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絶賛○○中ってよく「ちょうど今」ぐらいの意味で使われますけど、多分、魔力の研究は本来の意味で「絶賛」されてます。多分。

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