6 職業

長いです。特に説明が。

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さあ職業を確かめよう、というときに、アレクさんが帰って来た。




「おっ、ユーキ。その様子だとこれから職業確認か。


能力の方はどうだった?」




「えっと…」「それが、凄いんですよアレクさん!」


スーさん、興奮しすぎ。




「魔力が中堅者レベルで、全属性の適性が上の中、しかも正確さが最高レベルなんです!ユーキさんはきっと大物魔法職になりますよ!」




「お、おうすごいのは分かったが…それだけだったか?」




「え、ええ。身体能力は人並み以上でしかありませんでしたが…何かあったんですか?」




いや俺が聞きたいよ。




「俺はユーキを魔物の森で拾ったんだが…その前にポイズンスネークから逃げていたらしいんだ。」




「え、でもポイズンスネークって確か秒速5メートルぐらいだったと思うんですが…そのぐらいなら逃げていられる気が…」




「10分間ずっとか?しかも森は足場が悪いんだぞ?」




「流石にそれは無理ですね。でも身体能力は普通だったはず…ユーキさん、心当たりありませんか?」




「いや特に…自分では普通に走る感覚だったんですが…」




「「うーん…」」




「…まあ、水晶玉では計りきれないこともごくたまにあるし、窮地に陥ると本来以上の力を出す、いわゆる『火事場の馬鹿力』なんて事もあるらしいしな。まあ気にしなくていいぞ。


それより職業だ。詳しい説明はしたか?」




「普通に魔法職だと思うので要らないと思うんですが…


まあ一応しておきましょう。


こちらの水晶玉は手をかざした人の職業の種類によって色が変わり、またその職業に関する能力が高いほど透明度が上がります。


ちなみにこちらでわかるのは戦闘職だけで、生産職の方がやると何も変わりません。


色は、基本は赤、青、緑、黄のいずれかで、それぞれ、どのような職種かというと…ここからは現役のアレクさんのほうが詳しいかと…」




「赤はファイター。物理で殴り合う系の戦闘職だ。剣・槍・槌使いとか、拳闘士とかが含まれるな。


青がマジシャン、魔法職だ。文字通り、魔法をばんばん撃つ。


緑がトリッカー。盗賊って言うこともあるな。すばしっこくて、敵を混乱させる役割だ。あとは罠探知か?まあ罠があるなんてダンジョンぐらいだが。あと弓使いもこれに入るな。


黃がタンカー。盾。壁。支援職。あんまり目立たないが、パーティーを組むときにはすごく重要だから忘れるなよ。




あと、特殊な職業として、色が混ざったやつがいる。


例えば俺は、赤と青で紫だった。魔法剣士って言われてるな。有能そうに聞こえるが、基本はどちらも中途半端で、そこまで強くない。俺は、剣士の方を極めて、魔法は火魔法しか鍛えなかったから、そこそこ強くなれた。紫はそこまで珍しくもないな。


他には青と黄で緑。魔法の支援職だからヒーラーとか、デバフ・バフ職とかな。これは、元々は青だったがパーティーで支援に徹していたら黃が加わった、ってやつが多いかな。こっちもそこそこいる。


赤と緑で茶色、ってやつは珍しいかな。まあでもちょこちょこいるが。これは暗殺者とか忍者だ。すばしっこい割に近接戦が得意だな。


まあこんな感じだ。ぱっと見凄そうだが、さっき言ったように中途半端になりがちだからな。強いのは一部だ。


結構説明したが…結局は自分が何色かがわからないとなぁ。こんな職もあるんだ、ぐらいに覚えておけ。」




「そうですね。まあユーキさんもやってみてくださいよ。」




「はい。」




うーんやっぱ紫とかかっこいいな〜いやでもトリッカーも捨てがたいしな〜いっそ全部とって黒とか?流石にないか…ん?これは…




「青…と緑?エメラルドグリーン?スーさん、これは?」




「そうですね…青緑は聞いたことありませんが…でも透き通っているので強いことは確かなのですが…どうしたんですか、アレクさん。ため息なんかついて。」




「はぁー。いやな。ユーキは変だとは思っていたけどこれを出してくるとはね…。


青と緑。本当にレアだが俺は一人だけ知っている。しかもかなり強い。


確かそいつは…トラッパー、と自称していたな。で、運のいいことにそいつはペル区にいるから教えてもらえるぞ。」




「「そんな人が?」」




「いやユーキは知らないとしてもスーは知っておけよ…








ここ、ペル区の冒険者ギルドのギルマス。元Sランク冒険者、エルフのフォラスだ。」

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