第9話 Cランク昇格試験 上

俺がゴブリン討伐をしてから約半年がたった。今は討伐系や採取系様々な依頼に手を出しいつの間にかDランクまで上がり王都では結構名前の売れた新人冒険者になった。


「おう!シノブ!今日も依頼か?また今度俺ともパーティ組もうぜ!」


「ああ。その時は宜しく頼むよ」



 こういった感じで冒険者ギルドでの仲間も増えていった。そして今日、何故俺が冒険者ギルドに来たかと言うと、、



「すいません。昇格試験に受けに来たんですが、ギルド長はいますか?」


「あ、シノブさんですか。ギルド長なら2階の会議室に居ますよ。もう皆さんお揃いですよ」


「俺が最後ですか、じゃまた後で」



 そう言って俺は2階の会議室へ向かった。





 ――――――――――――――――



 ガチャ



 扉を開けると中には如何にも冒険者と言う筋肉ゴリゴリの人やローブを纏った細身の男性や女性が居た。



「なんだなんだ?こいつも昇格試験に来るのかよ?こんなガキ戦えるわけねーだろ!おいボクちゃん、悪いこと言わないからさっさと帰りな」


 そう言ったのはさっきの筋肉ゴリラだ。


「人を見た目で判断するのは辞めておいた方がいいですよ。あ、あなたみたいな筋肉ゴリラには判断する脳みそもありませんか。」


 そう言うと



「あぁん!?てめぇ喧嘩売ってんのか!?」


「おい!辞めろ!ここには、ギルド長が居るんだぞ!無礼な真似はするな!」


 そう言って止めたのはギルド長の隣いた若い男性だ。



「ちっ。覚えてろよ、クソガキが。」


 小物感満載のセリフだなぁ。と内心思いつつ話し始めたギルド長の話を聞いた。



「皆ここに集まったということは昇格試験を受けに来たということだ。そこに年齢も体格も関係ない。先程シノブが言ったように見た目で判断することがないように。シノブは最年少にしてたった半年で、Cランク試験に受ける化け物だぞ。」


 ギルド長がそう言うと



「おいおい、嘘だろ。」


「あんな小さな子が。」


 と、様々な反応が帰ってくる。



「さて、試験の内容だが、お前達にはこれからこの街の近くにある盗賊団をアジトを壊してもらう。もちろん中には居る盗賊も殺さなければならない。」



 成程、今回はどれだけ人殺しに慣れられるかの試験か。たとえモンスターと戦えても対人戦が出来なければ高ランクの冒険者にはなれないということか。



「今回は俺の他にもう1人助っ人を呼んである。入ってくれ」


 ギルド長がそう言うと後ろの扉から見覚えのある冒険者が、入ってきた。



「今回の助っ人はAランク冒険者のバーンだ。1ヶ月後にはSランク試験も控えてる中ここに、来てくれたんだ。恥欠かねぇ戦い方しろよテメーら。バーン、挨拶頼む」


 そう言われるとバーンは口を開いた



「これからお前らの試験官兼サポートをするバーンだ。宜しく頼む」


 するとバーンと俺の視線があった。


「よし。なら今からお前らの中での自己紹介しとけよ。コミュニケーション取れなかったら戦いに支障がでるからな。」



 ギルド長がそう言うとあの筋肉ゴリラが口を開いた



「俺はガラン、得意な武器は両手剣だ。くれぐれも俺足を引っ張んじゃねーぞ。」


「俺はリオン、見ての通り魔法士だ宜しく頼む」


「私はリーズよ得意なのは風魔法と回復魔法宜しくしてちょーだい」


「俺はシノブだ、魔法と剣両方使える魔法戦士だ宜しく」


「よし、一通り自己紹介は終わったな。それじゃさっさと試験しに行くぞ。」



 そう言って俺たちは冒険者ギルドを出て近くにあった馬車へ乗った。



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