第8話 成長系スキルの偉大さを知る

 初めての依頼が終わって1週間。忍は、あの後も薬草採取を続けFランクからEランクに上がっていた。しかも、薬草採取でいつも倍以上の薬草を取ってくるので依頼主である薬師を経営している人から感謝され、回復ポーションを何個か貰っていた。



 そして今日、忍はEランクになって初の依頼を受けようとしているのである。




「さて。Eランクになったしそろそろ戦闘系依頼受けるかなぁ。」


『そろそろ、ゴブリン程度なら受けてもいいと思いますよ?』


「やっぱりそう思う?そろそろ俺も戦ってみたかったんだよなぁ」



 そう言って俺はEランク依頼のゴブリン討伐を掲示板から引き剥がした。



「すいません。今日はこれをお願いします。」


「はい。ゴブリン討伐ですか。分かりました、討伐部位は耳ですので忘れずに持ってきて下さいね。」


「わかりました。」



 そう言って俺は冒険者ギルドを出ていった。



 そして少し走って今は、薬草採取でお世話になった森に来ている。


 ここにはゴブリンなどの低級な魔物もいるそうだ。早速探してさっさと倒そう。




 少し歩いていると緑色の魔物を発見した。



「お、ゴブリン発見。倒しますか。」


『マスター。前みたいに超級魔法なんか使わないでくださいね!』


「分かってるよ!流石の俺も学習ぐらいする!」


『なんと!マスターから学習という言葉が出るなんて!アドは、感激です!』


 こいつ、どんだけ俺が馬鹿だと思ってるんだよ。。



 今回は魔法じゃなくこれを使おう。


 そう言って俺は腰に掛かっていた鞘から刀を抜いた。



「ほう、やっぱり日本刀はいいなぁ。手にしっくりくる。」



 そして俺は刀を片手にゴブリンへ突っ込んでいった。


 俺に気付いたゴブリンは、



「グギャャャ」


 と叫び棍棒を構え臨戦態勢に入った。


 俺は身体に身体強化を掛け、一気にゴブリンの間合いへ入り、首を切り飛ばした。



「グギャ……」


 ゴブリン二度目の討伐完了。



「よし、さっさと討伐部位取ってほかの倒しに行きますか。」



 そう言ってゴブリンの耳を切り取るとすぐほかのゴブリンを倒しに行った。




 ゴブリンを倒し始めて数分すると不意に頭に何度も同じ音がながれてきた。



「なんだなんだ!?!?」


『マスター。これはLvupの時の音ですよ。ですが、なんでこんな一気に。。』



 そう言われステータスを見ると俺は唖然とした。







 シノブ=テンザキ Lv14



 種族 人族



 HP 3000



 魔力 27000



 素早さ1200



 知力????



 幸運 100(固定)



 称号 創造神の加護



 スキル 創造魔法 ファイアボールLv2 ウォーターボールLv1 ウィンドカッターLv1 ウォールガードLv1 ホーリーランスLv1 ダークボールLv1地獄炎ヘルファイアLv2 身体強化 アイテムボックスLv3 ホーリーレイ Lv1 ダークネビュラLv1



 鑑定眼 経験値倍化 成長力倍化 魔力操作 魔力感知 剣術Lv10(MAX)








 え?なんで、こんなLv上がってんの!?



「おい、アド、俺コブリン数体しか狩ってないのに、なんでこんなレベル上がってんだ?」


『マスター、これは多分、随分最初に作った、経験値倍化と、成長力倍化の影響ですね。。』


 なんだって??よし、そのふたつを鑑定しよう。




「経験値倍化」


 1戦闘で手に入る経験値が、増える。(補足)通常戦闘で手に入るやく3倍



「成長力倍化」


 これを持っているものは戦闘で使ったスキルのレベルが上がりやすくなる。





 成程、だからこんなにすぐ、Lvが上がったのか。しかも成長力倍化のお陰で剣術のLvが、8からMaxまでなってるぞ。。これは戦闘を積めば積むほどLvが上がるし強くなれるのか。




「これは凄いな。。これを使えば、Lv上げ放題じゃないか。」


『しかしマスターは本当に意味のわからないものばかり取得していますね。もう呆れるしかありません。。』



 とうとうアドさんに呆れられてしまった。。





 それから少しして、



「よし、ゴブリンも狩ったし、帰るか。」



 冒険者ギルドに入ると時間が夕方というのもあり、中にいる人は少なかった。



「依頼完了してきました。これが今回の依頼の討伐部位です。」


「ありがとうございます。これが今回の依頼報酬の、銀貨3枚です。」



 やっぱり討伐系の依頼はお金が貰えるな。だが、それだけ危険が伴うという事も忘れないでおこう。




 忍は油断してはいけないなと再度肝に銘じ冒険者ギルドを出ていった。




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